おかげさまで、創立70周年。

一般社団法人 愛知広告協会

2014年5月開催終了 第62回全広連名古屋大会

第9回(令和3年度)
愛広協実践広告ワークショップ 実施報告


※ホームページ制作の都合でPPTファイルで制作された方もPDFファイルに変換しております。

テーマ

「広告を仕事にする」

 第9回(令和3年度)愛広協実践広告ワークショップは、2月19日(土)に第1講座、3月26日(土)に第2講座を26名の受講生を集め、無事終了しました。当初は、リアル開催すべく準備を進めていましたが、コロナウイルスの状況を勘案し、そのすべてを『ZOOMミーテイング』を利用したリモート開催としました。

 特に今回は、初めて第2講座の『学生によるプレゼンテーション』もリモートで実施。トラブルなく実施できるか心配しましたが、学生達のスキルも想像以上に高く、予定通りスムーズに進める事が出来ました。

 今回、CBCテレビ伊藤講師から出された課題は、「CBCテレビ火曜19時台の新番組を企画せよ」というもので、今までに無い難題だったにもかかわらず、審査員の皆さんも刺激を受ける、独創的なアイディアが多数発表されました。

 講座終了後、即座に審査会を開催し、『AICHI AD AWARDS 2022 学生広告賞』の選定を実施。4月の愛知広告協会定例理事会での承認を得て、グランプリ、準グランプリをはじめとする各賞を決定しました。

実施概要

名称

第9回(令和3年度)

愛広協実践広告ワークショップ―広告を仕事にする

主催

一般社団法人 愛知広告協会

協力

株式会社新東通信、株式会社インディ・アソシエイツ、公益社団法人全日本広告連盟

目的

広告業界を目指す人材の育成を目的とした、学生を対象にした広告ワークショップ。講座内では実践的な課題を提示しコンペティションを実施する、広告業界の"今"を学ぶ講座の開設。

開催場所

株式会社 インディ・アソシエイツ

講座日程

第1講座[2月19日() 9:50~17:30]

(株)CBCテレビ1名、クリエーター2名の計3名の講師から広告業界の現在の環境をレクチャー、プレゼンテーション課題を発表。

第2講座[3月26日() 9:50~17:30]

受講生

公開応募による、愛知県下の専門学校・大学8校の学生

第1講座:28名

第2講座:26名

講義風景

《第1回講座 2月19日(土)》

プレゼン審査風景

《第2回講座 3月26日(土)》


課題テーマ

「CBCテレビ火曜19時台の新番組を企画せよ」

講師及び審査員プロフィール(敬称略)

《講師及び審査員》

伊藤  いとう つかさ

株式会社CBCテレビ
取締役常務執行役員 / 報道・情報制作、編成担当

 

1960年、三重県生まれ。1984年、中部日本放送に入社。同年テレビ制作部に配属。 その年に担当した自身初の演出番組は、小型中継車1台とカメラ2台だけで1時間全編 街中を歩き回るという、当時異色のローカル生放送番組。 その後、企画・プロデュース畑を歩み、最高平均視聴率24.5%の「特捜!板東リサーチ」、台本無しでドラマを創る「鶴瓶のスジナシ」、お天気だけで1時間生放送の「えなりかずき!そらナビ」等々、多数の番組を制作。 制作部長、経営企画部長、編成・制作局長、社長室長等を経て、2020年から現職。

須田 和博 すだ かずひろ

株式会社博報堂
プランド・イノベーションデザイン局/UoC
エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/スダラボ代表

 

1967年新潟県生まれ。1990年博報堂入社。アートディレクター、CMプランナーを経て、2005年よりインタラクティブ領域へ。2014年スダラボ発足。同ラボ第1弾「ライスコード」で、アドフェスト・グランプリ、カンヌ・ゴールドなど、国内外で60以上の広告賞を受賞。2015年スダラボ第2弾「トーカブル・ベジタブル」、第3弾「パニックーポン」も、アドフェスト、スパイクス・アジア、アドスターズ、ONE SHOWなど多数受賞。2015年大塚製薬ポカリスエット「インハイ.TV」で、ACCインタラクティブ部門ゴールド受賞。2016~17年 ACC賞インタラクティブ部門・審査委員長。2017年 東京広告協会「広告未来塾」第1期塾長。著書「使ってもらえる広告」アスキー新書。

𡈽橋 通仁 どばし みちひと

株式会社電通中部支社

グループクリエーティブディレクター/アートディレクター

 

名古屋の山崎デザイン事務所に10年間在籍。2008年電通中部支社入社。近年の仕事は、メニコン/シヤチハタ/中京TV/藤田医科大学/三和交通・TAXI WHISTLE/葵鐘会・Mother Book/マクドナルドハウスを名大病院へ2億円募金CP/他多数。賞歴は、カンヌライオンズ・グランプリ他、国内外で多数。カンヌ審査員等多数歴任。

岩田 正一 いわた しょういち

株式会社新東通信スケッチ 代表取締役

プロデューサー/クリエイティブディレクター/コピーライター

 

「企業・団体・個人のビジョンを描く」ということをテーマにした「スケッチ」という会社を設立。企業の事業開発、コミュニケーションにおけるコンサルティング、ブランディングを中心にしたクリエイティブ・ビジネスに携わっている。ブルーミング株式会社「顧問」、新東工業映像研究所TAKUMI「取締役」、事業構想大学院大学「特任教授」、名古屋造形大学「非常勤講師」、名古屋コミュニケーションアート専門学校「教育課程編成委員」、宣伝会議コピーライター養成講座「講師」、学生団体ISIK「顧問」、PRINCESS SAMURAI of JAPAN あいち戦国姫「事務局」、名古屋ナモ締め「事務局」など。

審査員講評


伊藤 司

 

株式会社CBCテレビ
取締役常務執行役員/報道・情報制作、編成担当

この会に参加された皆さん、うらやましいです(自分の学生時代にこの様な場があったなら…)。

課題制作含め大変だった、しかし、この経験の価値は、きっと後になるほどに沁みてくる!

間違いありません。皆さん、ホントおつかれさまでした。

『テレビ番組を企画せよ!』という課題、「自由に」とお願いしました。企画立案って、前提や枷が多い方が取り組みやすいという人も少なくないでしょうし、そもそも「自由にしろと命じられたくない」という考え方もあるわけですが、でも、できる限り白紙委任状態=自由になるよう努めたつもりです。どこから手を付ければよいのか…ムチャぶりともいえる課題設定(ごめんなさい)にもかかわらず、皆さん、しっかり調べ・キッチリ分析し・自らテーマを導き出し…見事にアプローチされていて(このプロセスに到って欲しいゆえの「白紙委任」ですから)感心しきりでした。 「そこにアイデアはあるか?」と自らに問うてみてください、とお伝えしました。皆さん渾身の企画、どれにもアイデアがありました。絶賛です。

アイデアも、表現も、アプローチの仕方も、正解は一つではない、と思います(たぶん)。ですから、惜しくも受賞とならなかった方々、「あなたの企画は正解」です。自信をもって、さらなるNEXTへ向かっていただきたいと願います、「私の最高傑作は次回作だ」なんていう素敵な言葉もあります。付け加えると、「正解」って何?という議論もあります(ややこしいですね)。課題に応えるのだから正解を目指すのが真っ当なわけですが、正解よりも「新しい解」を求めていく、というスタンスもある(正解よりもワクワクするかもしれません)、新しい「正解」は、後になってから評価されることが多かったりしますけれど。

「価値観を変えてみせること」「伝わる表現にしていくこと」の面白さ・楽しさを一緒に考えた場だった、ならイイなあと…。僕にはそういう場でした、貴重な機会をありがとうございました。


今後も、皆さんが、その創造性を目いっぱいに発揮され、世の中を面白くしていかれることを願い、期待しております。

 

須田 和博

 

株式会社博報堂

ブランド・イノベーションデザイン局/UoC

エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/スダラボ代表

まずは、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!引き続きのコロナ禍で、開催の前提が変わる中、実にスムーズなZoomでのプレゼン、お見事でした。

今回、例年との大きな違いは考えるものが広告プロモ企画ではなく、テレビ番組の企画だということでした。自分は広告の企画をするのは慣れているので、プレゼンを聞かせてもらえば「もっとこうしたら?」というのもスグ出て来るのですが、番組の企画をするのはまったく慣れていないので、まずその難しさがありました。しかし、面白いかどうか、よく考えられてるか、よく作り込まれてるか、などは例年と変わらず判断できるので評価に迷いはありませんでした。

気づいたことを3つ書きます。1つ目は「TV : YouTube」や「ながら見」というメディアの視聴態度から企画の前提を抽出してる方が多かったですが、それだけで「良い着眼」と言えるだろうか?ということ。この2つが、それだけでは大した発見ではないのは、たぶん誰でもわかることなのではないか。「そりゃ、そーだよね」と言われるだけの、この2つから自分は「こう引き出した」という視点や発見の驚きが、まずは企画の始めの勝負なのではないか、と思いました。

2つ目は「ツカミは細部に宿る」ということ。番組の完成イメージや、その告知・拡散に関して、具体的に目に見えるようにブツを完成させていた人が少なかったな、と思いました。アガリが目に見えるモノになってないと、面白いかどうか、見てもらえそうかどうか、わからないですよね。考えた企画を「目に見える」ようにして欲しいといつも思います。それをした人が上位に入賞しています。「広告を仕事にする」というクリエイティブ・コンペなので、そこは常に重要です。

3つ目、これは時々思う自問自答なのですが、ありきたりの「ステレオタイプ」と「普遍的な強さ」との違いって何なのだろう?ということ。他の人が「わからない企画」をしたら見てもらえないけど、「わかりきった企画」をしてもまた見てもらえない。「へぇー!面白いね!ソレいいね!」と言ってもらえるのは、いつも「パッと見ればスグわかる」のに「それは考えもしなかったなー!」というもの。

これは要するに、何度も何度も「コレで良いのか?普通じゃないか?」と「コレで良いのか?わかるのか?」という振れ幅の自問自答を、往復し続けてこそ辿り着けるものです。着眼の冴えから、完成イメージの冴えまで、この自問をしつづけることが、案を鍛え上げるということに他なりません。これは「広告を仕事にする」時には、ずーっと続くことですし、これをずーっと続けることが「広告を仕事にする」ことの楽しさです。ぜひ、今回のワークショップで「考えて作るのは楽しい!」と思った方は、もっと考えて作って、それをいろんな人に見せて「面白いね!」と言われてみてください。その時、感じる喜びが「広告を仕事にする」ということなのです。ぜひ!

 

𡈽橋 通仁

 

株式会社電通中部支社

グループクリエーティブディレクター/アートディレクター

今年はオンラインでの「プレゼンテーション&審査員からのその場でのフィードバック」を導入したインタラクティブなコンペティション形式で、愛知広告協会としてもチャレンジでした。モニターを通じて印象に残ったのは、プレゼンテーションを聴いている側のみなさんがウンウンと頷きながら熱心にメモをとっていた姿。ライバルから学ぼうとしている姿は素晴らしかったです。そんな皆さんから「来年も参加したい」と言ってもらえたのは、我々審査員の励みになりました。みなさんの熱量はモニター越しでもしっかり伝わってきました。

ここ数年、このワークショップを受講した卒業生たちとプロの現場で再開する機会が増えています。長年この学生ワークショップに携わらせていただき、数年越しの再会を経験させていただけることに喜びを感じています。この学生WSへの参加をよびかけてくれている学校関係者のみなさん、CBCの伊藤さんをはじめとする歴代のクライアント審査員のみなさん、そして運営側のみなさんの熱量のおかげです。今年の受講生のみなさんとも、数年後にプロの現場でご一緒できることを心待ちにしております。

さて今年も私の審査基準は(1)アイデア=コンペティションなので、既視感がなくフレッシュであるか、オリジナルであるか?第一講座でも、第二講座でもみなさんにお伝えしましたが、ひとりよがりになることなく周りの人に自分のアイデアを見てもらって、伝わるものかどうかを確認し続けてください。(2)機能性=その広告がどのように機能し、効果にむすびつけるものか。どうやって行動に移してもらい、どのような体験をつくりだそうとしているか。
それら2つをふまえ、つくりこみのクオリティや実現性などを想像し「いかに魅力的にクライアントやコンテンツを紹介できているか?」という視点で審査をしました。

今年のグランプリをはじめとする受賞作をそんな視点で振り返ってみてください。それぞれのアイデアや伝わり方への気遣い、熱量がさらに深く感じられるはずです。では、またお会いした時に。

 

岩田 正一

 

株式会社新東通信スケッチ 代表取締役

プロデューサー/クリエイティブディレクター/コピーライター

第9回目の実践広告ワークショップも、新型コロナウィルスから完全に解放されたものとはなりませんでした。そんな中で、オンラインのプレゼンテーションを行うということになりました。
運営上は不安もありましたが、学生のみなさんのプレゼンテーションは、とても上手なものでした。with コロナという時代の中で、学生が身につけたスキルなのだと思います。
結果的には社会に出たときにこの経験が大きく役立つのだと感じます。時代は日々変化していきます。そうした中で、広告の役割やメディアも変化していくこととなります。このワークショップの9年間を見てもそれを実感することとなりました。
今年度の課題は、その象徴でもあるテレビというメディアについてのものでした。テレビというメディアが発信する番組はどうすれば観てもらえるものになるのかという内容。広告ではなく、番組。コンテンツの提案となったことで、学生のみなさんにはハードルの高いものとなったように心配をしました。
ところが、学生のみなさんは柔軟な受け止め方をして、個性的な発想、実感のある提案をしていただきました。この柔軟、個性的、実感ということが、これからの広告にはとても必要なことであると思います。
Z世代と言われる学生のみなさんは これまでの常識を越えて、新しい常識を作っていく人たちになってほしいと感じました。
プレゼンテーションについては、ひとつ気がついたことがありました。パソコンへ向かって(パソコンの向こうにいる人へ向けて)提案することがとてもよくできていました。ゆっくりと話す、正面を見て話す、分かりやすく話すということができていることはとてもよかったと思います。
このことは、オンラインの時代には重要なこととなります。いい経験が学校やこうしたアワードでできるのだと思いました。次回は、10回目となるこのアワード。どんなものとなるのか、いまから楽しみです。

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※ホームページ制作の都合でPPTファイルで制作された方もPDFファイルに変換しております。

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